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西尾 軍治; 下川 純一
JAERI-M 4438, 14 Pages, 1971/05
この研究は、炭化物燃料とステンレス鋼の両立性を支配する炭素移行現象の機構をあきらかにするために行なうためのものである。Naが充填されたNiカプセル内にCでラベルしたUC燃料とステンレス鋼(AISI304)を挿入、その系を750Cで加熱、適当な時間間隔で出された鋼中の放射能を測定、鋼内に浸炭したCの濃度分布を求めた。浸炭現象に起因した濃度分布式は、炭化物燃料から鋼への炭化の移行が「燃料内UC中の炭素がNaによって浸出される」という、いわゆる脱炭機構とステンレス鋼の浸炭が「炭素原子の粒界拡散に基く」という拡散機構を結合したモデルから求められた。実験から得られた鋼中のCの分布値は、このモデルより計算した値と比較的良く一致し、この結果から、燃料の脱炭速度が鋼の浸炭の度合を律していること、また鋼の脱炭相は、粒界にそって生長してゆくことがあきらかになった。